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2014年2月

2014年2月28日 (金)

2014.02.28

2月28日の作品


<作品>

雪は天からの手紙という。防災科学技術研究所の上石勲(かみいしいさお)さんがいうように、「雪という手紙は冷たく、怖い面もたくさんある」ことをかみ締めた2月の言葉から▼ソチ五輪の王者、フィギュアの羽生結弦(はにゅうゆづる)選手のストイックな言葉が印象に残る。「金メダルを取ったからといって自分が変わるわけではなく」といい、「とにかく僕は、いつでも追いかけていたい」と話した▼ジャンプの葛西紀明選手にはいぶし銀の味わいがあった。「僕は何百戦もやっているが、ほぼ負けている。ただ、勝つことのうれしさを求め、悔しさをモチベーションにやってきた」▼歴史認識などをめぐる中韓との溝が深まる。ギリシャ哲学者の加藤信朗(しんろう)さんが省察する。「明治以来、日本人は特別なのだ、という意識で隣国とつきあってきたのではあるまいか。結果として、互いに『同じ人間である』という親しさの内に生きる秩序を作り出せなかった」▼米国とのずれも大きい。日本は戦後秩序を壊すつもりなのかという視線がある。映画監督の是枝裕和(これえだひろかず)さんは、日本人のもつ「被害者意識」に問題の根をみる。「どんな国の歴史にも暗部はある。いま生きている人間は、それを引き受けないといけません」▼NHKと安倍政権との関係や、籾井勝人(もみいかつと)会長の資質を問う声が続く。メディア研究者の松田浩さんは「権力の介入を防ぎ、市民のための公共放送にしていくには、首相が経営委員を選ぶ仕組みを改めるしかありません」。国営放送と見られないために。


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2014年2月16日 (日)

2014.02.16

2月16日の作品


<作品>

小さなコラムでいかめしい言葉はなるべく使いたくない。それでも使わなければならないときがある。いまならさしずめ立憲主義という言葉である。憲法にかかわる安倍首相の一連の発言のおかげで出番が増えた▼憲法はなんのためにあるのか。時々の政治権力ができることとできないことを定め、その手を縛るためである。選挙で正当に選ばれた政権であっても、多数の力で乱暴なことをするかもしれない。たとえば人々の人権や自由を奪う、とか▼民主主義は優れた仕組みだが、民主主義だけではあぶなっかしい。だから、憲法であらかじめ枠をはめておく。権力に対して、立憲主義はとても疑い深い。自民党の改憲草案の狙いを問われた首相は「なんとかの勘ぐり」と応じたが、正しく勘ぐるのは立憲主義の仕事である▼首相は、権力を縛る憲法という考え方は「王権が絶対権力を持っていた時代」のものだと答えた。もう古いよということだろうか。しかし民主主義が独裁国家を生み出すこともある。歴史に学ぶなら、手放すことは決してできないはずだろう▼選挙で信を問いさえすれば、首相が憲法の解釈を自由に変えられる。そう受け取られるような発言もあった。これも、民主主義だけではあぶないという視点を欠いた発想だ。国民投票にかけるのだから、国会による改憲の発議要件を緩めてもいいという議論も同じである▼立憲主義をどう考えるか。首相は予算委員会で問われることに迷惑顔だが、大いに論じてほしい。


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