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2014年4月

2014年4月24日 (木)

2014.04.24

4月24日の作品


<作品>

会議は少ない方がいいし、短い方がいい。組織に属していれば多くの人がそう思うのではないか。実のある議論をし、効率的に適切な結論を出す。そんな理想的な会議はなかなかあるものではない▼何人くらいで話し合うのが一番いいのか。この問題についての考察が、有名な『パーキンソンの法則』にある。どんな役所も仕事の量にかかわらず肥大化していくと看破したことで知られる1950年代の著作だ▼英国の歴史学者パーキンソンは、閣僚の定数について分析する。それによると、最も望ましいのは5人である。首相と大蔵、外務、防衛、法務の各大臣で足りる。この程度なら、互いに存分に意見交換し、かつ秘密も保てる▼ところが、内閣はふくらむ傾向をもつ。権力を欲する人々がポストを求めて突き上げるからだ。彼らをおとなしくさせるには人数を増やして処遇するのが手っ取り早い。かくしてやがて2桁となっていく▼20人を超える頃、組織は突然変異を起こす。主要メンバー5人ほどが前もって大体のことを決めてしまうようになる。会議は儀式と化し、時間の無駄となる欠点を法則は示す。翻ってわが日本の閣議は現在、首相以下19人から成る。微妙な数である▼その議事録が、史上初めて公開されたというので読んでみた。お膳立てに沿って淡々と進んでいる。議論はない。所要12分。短いのはいいが、中身は英国発の法則を見事に裏付けているようである。すべて実質は別の場所で決まると考えるしかない。

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2014年4月23日 (水)

2014.04.23

4月23日の作品


<作品>

中曽根元首相は相当うれしかったのだろう。1986年4月の日米首脳会談で、当時のレーガン大統領に「三重に厚遇された」と振り返っている▼一つはホワイトハウスでなく大統領専用の山荘キャンプデービッドに招かれたこと。二つは山荘内のプライベートコテージで会談したこと。三つはナンシー夫人の手料理をごちそうになったこと。米海軍の飛行士用ジャンパーとソニーのポケットテレビのプレゼント交換もあり、「ロン・ヤス関係」を誇示する政治ショーとなった▼きょう来日するオバマ大統領と安倍首相との対面はどんな展開になるだろう。米大統領としては18年ぶりの国賓である。宮中晩餐(ばんさん)会などもある最も手厚い待遇だ。ロン・ヤスの親密さは無理としても、オバマ氏の表情や言葉に注目しよう▼去年暮れの首相の靖国参拝以来、日米間は冷え込んだ。首相が第1次政権で掲げて一度封印し、先月再び語った「戦後レジームからの脱却」も、米国には刺激的だ。戦勝国が主導した戦後秩序を覆すつもりか、という反応を招きかねない▼従軍慰安婦をめぐる河野談話を見直さないとしたことで多少の動きはあったが、米国側の疑念が拭い去られたとはいえまい。刺さったトゲを首脳会談で抜けるかどうか▼中曽根外交の評価は様々だろう。安倍氏同様、愛国者である。ただ、米英中心の世界の潮流からはずれないといった中曽根氏の外交原則は、いま応用できなくはない。ナショナリズム一辺倒では外交は立ちゆかない


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2014年4月20日 (日)

2014.04.20

4月20日の作品


<作品>

なかなか巧みなたとえばなしをみつけた。「多数決が入ってきちゃいけないところに、『立入(たちいり)禁止』の看板をかけておく」という一文である▼民主主義は数の力がものをいう。しかし、たとえば思想・良心の自由といった基本的人権は、数の力をもってしても侵すことはできない。ここには入れませんよ、と書いてあるのが憲法であり、そういう考え方を立憲主義という▼『うさぎのヤスヒコ、憲法と出会う』(太郎次郎社エディタス)という絵入りの楽しい本から引いた。東京都江戸川区の子ども未来館でおととしから去年にかけて、24人の小学生が法律を勉強した。その成果を、憲法の講師をつとめた西原博史(にしはらひろし)早稲田大教授がまとめたものだ▼日本の政治の現状は、いわば「立入禁止」の看板を踏みつけにしているのではないか。そんな強い危機感が、多くの有識者を突き動かしたのだろう。法学、政治学をはじめ、経済学、社会学、哲学など実に幅広い分野の専門家が一昨日、「立憲デモクラシーの会」を発足させた▼憲法改正のハードルを下げようとし、それが難しいとなると解釈の変更だけで集団的自衛権を解禁しようとし、あげくに全く筋違いの最高裁判決を持ち出す。安倍政権はたしかに憲法という縛りを骨抜きにしようとしているように見える▼これでは改憲どころか「壊憲」だ、民主主義にはアクセルだけでなくブレーキも必要――。会の参加者は動きを批判し、阻止をめざす。憲法をめぐる政治状況は正念場である


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