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2015年2月

2015年2月23日 (月)

2015.02.23

2月23日の作品


<作品>

天気図もなかった昔、荒れる海をなだめようと様々なものが海中に捧げられた。平安前期の船旅をつづった「土佐日記」にも、筆者の紀貫之(きのつらゆき)が大荒れの海に鏡を投げ入れるくだりがある▼いよいよ船が危うくなり、船頭は何か神がほしいと思う物を奉(たてまつ)れと言う。貫之がたった一つの貴重な鏡を泣く泣く投じると、海は鏡の面(おもて)のように静まったそうな。昔読んだそんな話を、沖縄・辺野古の海に巨大なコンクリートブロックが投入されている記事を見て、思い浮かべた▼サンゴの海に神あらば、ぶくぶく沈んでくる塊に顔をしかめたか。いや、それにもまして、尊ぶべきものを尊ばない政府を嘆いているかもしれない。沖縄が示した民意のことである▼昨年秋の県知事選では辺野古への基地移設に反対する翁長雄志(おながたけし)氏が選ばれ、暮れの衆院選では4小選挙区とも反対派が勝った。ところが民意は黙殺されて、既成事実が着々と積まれているのが現状だ▼「民主主義はもうこりごりだ」と言っていたコザ市(現沖縄市)の元市長、大山朝常(ちょうじょう)さんのことが、あらためて思い出される。本土による、本土のための民主主義が小さな島を圧している。そんな悲憤を抱えて16年前に97歳で他界された▼鏡の話に戻れば沖縄は鏡だと思う。賛同者には厚く、異なる意見には冷ややかな現政権の「民主主義」をはっきりと映す。埋め立てより沖縄との溝を埋める努力が先であろう。一度も会っていない首相がまず知事と会って、そこから始めるほかはない


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